焼きそばの麺の原料は、ラーメンや中華麺と非常に近いものですが、焼くことを前提にして設計された麺であり、食感や風味に特徴があります。
ここでは、焼きそばの麺の原料について詳しく解説します。
目次
焼きそばの麺の主な原料
小麦粉(中力粉または強力粉)
- 主成分であり、グルテンを含むことでコシや弾力のある食感を生み出します。
- 通常の焼きそば麺では、中力粉と強力粉の中間のグルテン含有量が好まれます。
- 強すぎると固くなり、弱すぎると炒めている途中にちぎれてしまうため、バランスが重要。
かんすい(アルカリ性の水溶液)
- 中華麺に特徴的な成分で、ナトリウム炭酸塩(炭酸ナトリウム・炭酸カリウム)などのアルカリ性成分を含む。
- かんすいを加えることで:
- 麺が黄色みを帯びる(アルカリによる小麦粉の色素反応)
- 独特の弾力・歯ごたえが出る
- 麺に香りや風味が生まれる
- 焼きそばの場合、やや控えめな配合になることが多い(炒めて香りが強くなりすぎるのを防ぐため)
水
- 水分量は麺の硬さやのびにくさに影響します。
- 焼きそば麺は炒め工程があるため、水分は少なめに設計されることが多く、コシが強く、炒めても崩れにくい麺になります。
塩
- 生地の引き締め、グルテンの形成を助けます。
- 麺にうまみや下味をつける役割も。
植物油(使用される場合)
- 特に蒸し麺や茹で麺タイプの市販焼きそば麺では、表面に油を塗布していることがあります。
- 麺がくっつくのを防ぐ
- 炒めた際の香ばしさを増す
焼きそばの麺の種類とその加工
焼きそばの麺は、原料だけでなく加工方法によっても種類が分かれます。
蒸し麺(一般的なチルド焼きそば麺)
- 一度蒸した中華麺。コンビニやスーパーでよく見かけます。
- 柔らかく、短時間で調理可能。
- 保存性を高めるために油で和えてあることも多い。
茹で麺
- 一度茹でてから冷却したもの。
- 蒸し麺より少し柔らかく、水分量が多め。
生麺タイプ(こだわり店や専門店向け)
- 生のまま冷蔵保存され、使用前に茹でる必要あり。
- 小麦の風味が豊かで、本格派の焼きそばに使われることも。
乾麺・即席麺
- フライ麺やノンフライ麺として、袋入り焼きそばやカップ焼きそばに使われる。
- 小麦粉のほか、澱粉や乳化剤なども使用されることが多い。
原料にまつわる工夫と豆知識
ポイント | 内容 |
---|---|
❖ グルテンの量 | 焼きそばは炒めるため、やや高めのグルテン含有が望ましい。 |
❖ 添加物 | 日持ちを良くするために、pH調整剤・保存料・酒精などが使われることも。無添加製品も増加中。 |
❖ 色の調整 | 卵粉やクチナシ色素で黄色みを強調する製品もある。 |
❖ 食感調整 | 一部にタピオカでん粉などを加えて、もちっとした食感を出す麺もある。 |
焼きそば麺を家庭で自作する場合のレシピ(簡易版)
【材料(2人前)】
- 強力粉:150g
- 中力粉:50g
- 水:80ml
- かんすい(炭酸カリウム+炭酸ナトリウム混合液):1〜2g(市販のかんすいが便利)
- 塩:1g
【作り方】
1. 粉類をボウルに入れ、塩と水、かんすいを加えてこねる。
2. 生地を寝かせてからパスタマシンや麺棒で伸ばし、好みの太さにカット。
3. 打ち粉をして、茹でてから冷やすか、蒸して焼きそば麺として使用。
まとめ
焼きそばの麺は、単なる「中華麺」ではなく、焼いてもダレにくく、香ばしく仕上がるように最適化された麺です。
原料の中では特に小麦粉の種類、かんすいの配合、水分量が重要なポイントとなり、製品によって味や食感に大きな違いが出ます。
また、最近ではグルテンフリーや全粒粉、ビーガン対応の麺なども登場しており、食の多様性に対応した焼きそば麺も増えつつあります。
以上、焼きそばの麺の原料についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。