モダン焼きとお好み焼きは、どちらも関西風の鉄板焼き料理で、小麦粉ベースの生地にキャベツなどの具材を加えて焼く「粉もの料理」に分類されます。
一見よく似ていますが、それぞれに特徴や成り立ち、材料、食感の違いがあります。
ここでは、構成・歴史・食感・味付け・バリエーションなどの観点から、モダン焼きとお好み焼きの違いを詳しく解説します。
定義と構成の違い
お好み焼き
お好み焼きは、「小麦粉を水で溶いた生地に、キャベツ、豚肉、卵などを加えて鉄板で焼いたもの」です。
関西風では混ぜ焼きスタイルが主流で、具材をすべて混ぜてから丸く形作って焼きます。
主な材料
- 小麦粉ベースの生地
- キャベツ
- 豚バラ肉(またはシーフードなど)
- 卵
- 青ねぎ、天かす、紅しょうがなど(家庭・店によりけり)
モダン焼き
モダン焼きは、お好み焼きに焼きそば(またはうどん)を加えたものです。
つまり「お好み焼き+焼きそば」というハイブリッド料理です。
名前の「モダン」は和製英語的なニュアンスで、戦後の高度経済成長期に「モダン(=新しい、洋風)」として流行した言葉が由来です。
主な構成
- 基本的なお好み焼きの材料
- 焼きそば or 蒸し麺(そば玉)
- 卵(上に乗せて半熟にするスタイルも)
歴史・由来の違い
お好み焼きの歴史
お好み焼きの原型は江戸時代の「もんじゃ焼き」や明治時代の「一銭洋食」とされます。
戦後、具材が豊富になったことで現在のスタイルが確立されました。
とくに大阪では家庭料理としても親しまれ、鉄板を囲んで食べる「庶民のごちそう」として定着しました。
モダン焼きの誕生
モダン焼きは、戦後の大阪や神戸などの鉄板焼き屋で生まれたとされています。
当時、満腹感を得るために炭水化物(麺)を入れるアイディアが受け入れられ、焼きそば入りのお好み焼きが「モダン焼き」と呼ばれるようになりました。
調理方法の違い
項目 | お好み焼き | モダン焼き |
---|---|---|
麺の有無 | なし | あり(焼きそば or うどん) |
生地の構成 | 生地+具材を混ぜて焼く | 生地+具材+麺を重ねる or 混ぜる |
焼き方 | 混ぜて丸く焼く | 生地→麺→具材を層にする重ね焼きが多い |
ボリューム | 中 | 大(炭水化物がダブル) |
モダン焼きは、麺をあらかじめ炒めておき、生地と具材の間にサンドするスタイルが多く、「重ね焼き」に近い印象です。
一方で大阪では混ぜてから焼くモダン焼きもあり、店によっては独自のレシピがあります。
食感・風味の違い
項目 | お好み焼き | モダン焼き |
---|---|---|
食感 | ふわふわ、しっとり | モチモチ+麺の噛みごたえ |
味の印象 | ソースと具材が調和 | ソースの香ばしさと麺の風味が強調 |
満足度 | やや軽め | 食べごたえ抜群 |
モダン焼きは麺が入る分、香ばしさ・ボリューム・食感のアクセントが加わり、よりインパクトのある料理になります。
地域差と呼び方
- 関西地方(大阪・神戸):お好み焼きとモダン焼きは別物として区別されており、どちらも専門店が多いです。
- 広島地方:広島風お好み焼きでは、そもそも焼きそば入りがデフォルト。そのため、関西の「モダン焼き」に近いスタイルが「お好み焼き」として認識されています。
- 東京や他地域:モダン焼きの存在を知らない人も多く、「お好み焼きに麺が入ってるの?」と驚かれることもあります。
どっちがオススメ?
シチュエーション | オススメ |
---|---|
軽く食べたい | お好み焼き |
がっつり食べたい | モダン焼き |
子どもや年配の方 | お好み焼き(柔らかい) |
若者や男性向け | モダン焼き(ボリューム満点) |
まとめ
比較項目 | お好み焼き | モダン焼き |
---|---|---|
特徴 | 生地と具材を混ぜて焼く | お好み焼き+焼きそば(またはうどん) |
食感 | ふわっと柔らかい | 麺のもちもち感とボリューム |
歴史 | 江戸〜戦後の庶民料理 | 戦後の食糧難時代に誕生 |
地域性 | 関西を中心に全国的に浸透 | 関西ローカル要素が強め |
満腹感 | 中 | 高 |
どちらも非常に人気のある粉もの料理で、鉄板の上で香ばしく焼き上げたソースの香りは、まさに日本の「ソウルフード」と言えます。
好みによって使い分けたり、食べ比べをしてみるのも楽しいですよ。
以上、モダン焼きとお好み焼きの違いについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。